
就活生・山田さん
消費財メーカーを目指す大学3年生。グループディスカッション(GD)はあまり得意でなく、インターン選考で大苦戦。プロ講師のもとで特訓中!

就活プロ講師・デアイバさん
DEiBA Company 学生マーケティング部所属。
就活対策セミナーでグループディスカッション(GD)を教えるプロ講師。累計8万人が参加したGDイベント「デアイバ」の運営も担当する。
「オーバーツーリズムの原因分析と対策案を考えてください」という問題を解いていきます。
山田さんの解き方
山田さんの解き方
1. 【前提確認】
オーバーツーリズムを「外国人観光客が特定の地域に集中し、生活環境やサービスに悪影響が生じている状況」と定義します。
対象:外国人観光客が集中する観光地
悪影響:交通混雑、騒音・ごみ、マナー問題、公共サービスの混雑など
ゴール:外国人観光客を単純に減らすのではなく、観光による経済効果を維持しながら、住民への悪影響を軽減すること
期間:1~3年程度で自治体が実施できる対策
2. 【要素分解】
①観光客側
– SNSや旅行サイトで有名な観光地に人気が集中する
– 日本の他の観光地に関する情報が不足している
– マナーや地域ルールを知らない
②観光地側
– 人気スポット周辺に飲食店や宿泊施設が集中している
– バス・鉄道などの交通容量に限界がある
– ごみ箱や案内表示などの受け入れ環境が不足している
③仕組み
– 観光客を別の地域・時間帯へ誘導する仕組みが弱い
– 混雑状況が観光客に十分伝わっていない
– 観光による利益と住民が負担するコストに偏りがある
3.【評価軸】
①住民への効果:混雑や生活環境への負担をどれだけ減らせるか
②観光への影響:観光客の満足度や地域の観光収入を大きく損なわないか
③実現可能性:自治体が費用・期間・関係者調整の面で実施できるか
4.【比較検討・施策立案】
A:入場制限・観光税などによる規制
メリット_即効性が高く、観光客数を直接コントロールできる。
デメリット_観光客や事業者から反発が出る可能性がある。
B:観光客を別地域・時間帯へ分散
メリット_周辺地域や早朝・夕方の観光を促す。観光客数自体を減らさず混雑を緩和できる
デメリット_認知を変えるまで時間がかかります。
C:交通・ごみ箱・多言語案内などのインフラ整備
メリット_住民・観光客双方の利便性を高められる
デメリット_費用が大きく、観光客が増え続ければ再び容量不足になる可能性があります。
5.【まとめ】
「観光客を減らす」のではなく、「場所と時間の集中を減らす」ことを中心施策とします。
混雑情報の発信や周辺観光地への誘導によって観光客を分散させ、多言語案内などの受け入れ環境も整備します。それでも改善しない場所については予約制などを導入します。
これによって、観光による経済効果を維持しながら、住民の生活環境と観光客の満足度を両立することを目指します。
プロ講師の解説
プロ講師の解説
1. 前提確認・要素分解
「外国人観光客を減らす」と短絡せず、観光による経済効果を維持しながら、住民への悪影響を軽減すると置いた点は評価できます。「結局、何を達成すれば成功なのか」を設定できると議論がスムーズに進行できます。
2. 評価軸、施策立案、まとめ
要素分解も観光客側だけでなく、観光地側や仕組みに言及できたのはGoodです。
しかし、原因分析は少し浅かった印象です。
「なぜSNSで人気になると問題が起きるほど集中するのか?」など、理由の裏側まで深掘りできるとよかったですね。「観光客が同じ情報源を参照する」→「初訪日の外国人ほど定番スポットを選ぶ」→「代替観光地を知らない」など、もう一段掘ると施策の説得力が増します。
また、「住民への悪影響」をもう少し具体化できれば、施策の優先順位が決めやすくなるので、住民とは誰か?も整理するのもひとつですね。
施策についても「混雑情報を発信する」だけでは、混んでいると知っていても有名観光地へ行きたい人は行く可能性がありますので、代替案の効果(インパクト)も加味して判断できるとより深い議論になったと思います。

【総評】
今回は課題解決型の問題でした。
「外国人はマナーが悪いからルールを厳しくする」「観光税を導入する」のような属性を一括りにした施策になりがちです。一方で、観光による経済効果を維持しながら、住民の生活環境と観光客の満足度を両立することを念頭に議論ができると、「ルールを知らない人もいるのでは?」のように視点が変わるので、課題に対しても多面的にアプローチしていきましょう。
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