就活生・山田さん
消費財メーカーを目指す大学3年生。グループディスカッション(GD)はあまり得意でなく、早期選考、インターン選考で大苦戦。プロ講師のもとで特訓中!
就活プロ講師・デアイバさん
DEiBA Company 学生マーケティング部所属。
就活対策セミナーでグループディスカッション(GD)を教えるプロ講師。累計8万人が参加したGDイベント「デアイバ」の運営も担当する。
リモートワークによる社員間のコミュニケーション減少問題の解決策を検討せよ。 という問題を解いていきます。
山田さんの解き方
1. 前提条件決定
まずは、お題における前提条件を確認する。
複数部門や上司ー部下、同期の関係があるような大手企業とする。
経営側の視点から考える。
リモートワークは週の半分程度~それ以上実施していると仮定する。
コミュニケーションは、①業務内と②業務外(雑談など)を含むこととする。また、コミュニケーション減少を改善することで、①業務効率化と②職場の雰囲気改善による働きやすさ向上を目指すものとする。
2. 現状分析
まず、コミュニケーションが減少してしまう要因を考える。
①物理的要因(社員同士)
・自然発生的なコミュニケーション(雑談やちょっとしたFB,質問など)が生まれない。
・表情や身振りなど、ノンバーバルな情報が伝わりづらい
・チャットやメール、ビデオ会議などが中心になるため即時性や柔軟性が失われる。
②心理的要因
・特に新入社員はもともとの関係地が少ないため疎外感や孤立感を感じやすく、コミュニケーションをとることに対する心理的なハードルが高くなる(本当に聞いてよいのか?誰に聞けばよいのか?などの経験則がない)
・オフィス等対面であれば自然に得られる情報(上司や同僚の表情、行動)やチームの状況に関する情報が不十分で質問をしづらくなる
③組織的要因
・リーダーシップ不足で、上司が適切に指示を出さなかったり、コミュニケーションの促進をしないとコミュニケーションは減少傾向になる
・ツール利用のプロセスを企業が整備していないとコミュニケーションは不足する
④ツール要因
・インターネット接続の不安定さ
・ツールの使い方に慣れていない社員
・ツールの使いやすさの有無
前提条件より、大手企業であるため④はそこまでの問題にならない(ツールへの課金や、リモート環境整備の補助金などサポートがしっかりしている)と考えられる。そのため、①~③の切り口で考えていく。
続いて、コミュニケーションの種類を相手によって場合分けをする。
(A)上司と部下
(B)同僚間
(C)部門間
上記要因分析により、リモートワークの影響をより顕著に受けるのは、普段一緒に仕事をしている上司や同僚とのコミュニケーションであると仮定できるため、(A)(B)に絞って施策を立案していく。
3. 施策立案
①物理的要因
・バーチャルオフィス環境の導入検討(A)(B)
・オンラインでのチームビルディング活動を実施する。(A)(B)
・雑談チャンネルなどを作成し、業務外についてもオンラインで交流できるようにする。(A)(B)
②心理的要因
・定期的な1on1を上司と実施する(A)
・なんでも聞けるチャンネルなどを作成し、コミュニケーションをとることへのハードルを下げる。(A)(B)
③組織的要因
・上司からのFB文化を強化する。(A)
・リーダーシップトレーニングを実施し、リーダーがリモート環境で適切なコミュニケーションをとるスキルを養うよう支援する。(A)
4.施策検討
立案した複数の施策を、施策の有効性と実現可能性から評価する。
施策の有効性 |
実現化可能性 |
|
①バーチャルオフィスの導入 |
〇 |
〇 |
①オンラインでのチームビルディング |
〇 |
◎ |
①雑談チャンネル |
◎ |
◎ |
②定期的な1on1 |
△一過性の会話になる可能性がある |
◎ |
②何でも質問可能なチャンネル |
◎ |
◎ |
③上司からのFB文化の醸成 |
△ |
△ |
③管理職へのリーダーシップトレーニングの実施 |
× |
△ |
上記から、①雑談チャンネルの作成とオンラインでのチームビルディング、そして②何でも質問可能なチャンネルの作成が有効そうな施策だといえる。
5.結論
大手企業におけるリモートワークにおけるコミュニケーション減少問題の原因を①物理要因、②心理要因、③組織的要因、④ツール要因とおいた際、①②③が特に重大な問題だと考えられる。経営サイドから改善のために施策を立案し、有効性と実現化可能性を踏まえて検討した結果、雑談チャンネルの作成とオンラインでのチームビルディングにて会話を自然発生させることができるほか、②何でも質問可能なチャンネルの作成によって質問への心理的ハードルを下げ、結果的に業務効率を上げられると考えた。
プロ講師の解説
1. 前提確認
考えやすい前提条件を自分たちで設定していきます。 今回山田さんは大手企業にしましたが、中小企業等であればツールを使いこなせない人がいたり、そもそもツールの導入が進まない、なども課題としてあったかもしれません。
2.現状分析
丁寧に分析ができています。コミュニケーションの種類(業務内外、または相手など)で分けるか、山田さんがやったように原因で分けるか、難しいところです。個人的には相手ごとに原因を分析するのも一つの手かと思います(ボトルネック特定により上司-部下間と同僚間の2つに絞られるため)。
【総評】
今回は課題解決型のお題でした。場合分けをしてから原因分析に移るか、要素(原因)を探ってからその中で場合分けをするか、難しい部分だと思います。与えられた時間をもとに、どちらが早く終わりそうか(ボトルネックを早めに特定できそうか)を考えてみると選びやすいかもしれません。
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