グループディスカッションは、メンバーで協力し、時間制限内に与えられたテーマに対し答えを出す選考です。そのため議論の流れごとに時間配分を行い、時間管理を適切に行うことが求められます。
今回はグループディスカッションの流れを整理した上で、各工程にどの程度の時間を使うのかという時間配分を紹介していきます。
・グループディスカッションの開始-結論の流れ
・グループディスカッション 時間配分の方法
・時間配分をする際のコツ
・時間内に結論を出せなかった場合の評価
グループディスカッションの流れは?
グループディスカッションは以下の流れで実施します。
- 1.役割分担と時間配分
- 2.前提条件と定義付け
- 3.アイデア出し
- 4.アイデアのまとめ
- 5.議論のまとめ
- 6.余白時間
弊社のYoutubeチャンネルでもグループディスカッションを実践しているので、ぜひ流れを掴むためにもご覧ください。
→https://www.youtube.com/watch?v=CUP3RkCht3Q
本動画では「良い会社の条件を3つ挙げよ」という15分のテーマに対し、
・前提確認 (5分)
・アイデア出し (6~7分)
・まとめ (6分)
こちらの3段階で時間配分をしてますが、最初の時間配分から制限時間15分に対し、17分と2分オーバーな形となっています。後半を見ていただくと分かる通り、少し雑な時間配分をしてしまったために、後半時間がなくなってしまい、最後結論を急いで出す形となってしまいました。
この様なことがないためにも、本記事でしっかりと学んで適切に時間配分を適切に行える様にしましょう。
ここからは開始-結論までの流れを解説していきます。
自己紹介
グループディスカッションの自己紹介は以下の3つのパターンがあります。
- 自己紹介がない場合
- 制限時間外に行う場合
- 制限時間内に行う場合
30分を超えるグループディスカッションの場合は、大抵自己紹介を行いますが、20分以内の短いグループディスカッションでは自己紹介を行わないことも多いです。
短い時間かつ、制限時間内で自己紹介を行う場合は、名前、出身大学、あいさつ程度の内容を15秒程度で言う様にしましょう。
長時間の場合は、先ほどの名前、大学に追加で自分のパーソナリティが感じられるような趣味や、エピソードを加える様にしましょう。
役割分担と時間配分を決める
自己紹介の次は、役割分担と時間配分を決めましょう。
役割は以下の4種類があります。
・ファシリテーター
・書記
・タイムキーパー
・発表者
役割の中でも、書記と発表者必ず担当を決めるようにしましょう。
議論の流れやアイデアの記録することにより、議論を論理的に進めることができ、発表する際もドキュメントを参考にすることができます。
発表も基本的には一人でするため、予め決めておきましょう。
一方でタイムキーパーやファシリテーターは、皆んなで補完しあえば、十分に議論が出来るので、必須条件ではありません。
次は時間配分を行います。
時間配分はリーダーシップを発揮している人が時間配分を提案し、メンバーが提案を承諾する形が一般的です。
なので自分で適切な時間配分をしたいと思った場合は、ここまでの議論の主導権は握っておく必要があります。
前提条件と定義付けを確認
次は前提条件と定義付けになります。
「幸せな人生を定義してください」というテーマを例として使いながら、前提条件と定義付けについて解説します。
このテーマでは「誰にとっての幸せか」は議論しておくべきでしょう。
・男性なのか女性なのか
・年齢はどれくらいなのか
・どの様な立場なのか
ここでは仮に「25歳の男性」と前提を決定します。
では次に定義付けに関してです。
このテーマでは以下の2つの定義が求められるでしょう。
・人生とは何か
・幸せとは何か
この2つを決めなければ結論に収束することは難しいかと思います。
ここでは、人生とは「その人の生涯」、幸せとは自己評価の「自分への満足度が高い状態」と定義します。
上記の例のように、前提や定義付けを実施しましょう。
アイデアを出す。
このテーマでは幸せの定義である「自分への満足度が高い状態」が自分の過去どの体験かアイデアとして挙げていきましょう。
例えば以下の様なアイデアを出せます。
「受験に合格した」
「夢に向かって必死に頑張ってきたこと」
「チームのメンバーと切磋琢磨していたこと」
アイデアのまとめ
次はアイデアを抽象化し、結論へと導いていきましょう。
先ほどのアイデアの共通点としては、以下の3点があると思われます。
・何かに成功すること
・何か夢や目標に向かっていくこと
・仲の良い人に囲まれていること
議論のまとめ
では先ほどまとめたアイデアで使って結論に導いていきます。
幸せな人生とは、「仲の良い仲間に囲まれて、夢や目標に向かって努力し、達成すること」と結論付けましょう。
またここの議論のまとめではこれまでの議論をざっくり振り返りましょう。
「幸せの定義は・・・・でーーー」
「前提は・・・・・で」
余白時間
グループディスカッションでは必ず余白時間を最初に設定しておきましょう。
動画の学生らも余白時間を用意していなかったため、後半議論が足早になってしまいました。
余白時間は大体全体の時間の1割程度は残しておいた方が良いでしょう。
20分のグループディスカッションでは2分程度ですね。
ここからは具体的にグループディスカッションの時間配分はどのように行えば良いのかを解説していきます。
グループディスカッションの時間配分の方法は?
グループディスカッションの時間配分の理想の方法は、時間やテーマの種類、テーマの難易度を加味して、議論の工程ごとに時間配分を行うことです。
とはいえ初心者の人は難しいと思うので、今回はテーマの種類ごとにどのように時間配分をするのかを紹介します。
時間別の時間配分の比率を紹介
グループディスカッションの時間配分は以下の比率で行いましょう。
- 役割分担と時間配分:0.5
- 前提条件と定義付け:1
- アイデア出し:3
- アイデアのまとめ:3
- 議論のまとめ:1
- 余白時間:1.5
基本的には役割分担と時間配分は素早く行い、アイデア出しうやアイデアのまとめに時間を残しましょう。
また時間配分をする際は、必ず余白時間を用意してください。
全体で15分の場合
- 役割分担と時間配分:1分
- 前提条件と定義付け:1分30秒
- アイデア出し:5分
- アイデアのまとめ:5分
- 議論のまとめ:1分
- 余白時間:1分30秒
全体で25分の場合
- 役割分担と時間配分:1分30秒
- 前提条件と定義付け:2分30秒
- アイデア出し:7分
- アイデアのまとめ:7分
- 議論のまとめ:3分
- 余白時間:4分
全体で40分の場合
- 役割分担と時間配分:2分
- 前提条件と定義付け:5分
- アイデア出し:12分
- アイデアのまとめ:12分
- 議論のまとめ:4分
- 余白時間:5分
全体で1時間の場合
- 役割分担と時間配分:2分
- 前提条件と定義付け:6分
- アイデア出し:18分
- アイデアのまとめ:18分
- 議論のまとめ:6分
- 余白時間:10分
ここまで見て分かる通り、最初に比率を提示しましたが、役割分担と時間配分は制限時間が長かったとしても早めに終わらせ、重要な議論が起こる部分に時間を回しましょう。
テーマごとに時間配分は違う?
ここからはグループディスカッションのテーマの型ごとの解く流れと時間配分の方法を紹介していきます。
グループディスカッションの抽象型テーマの流れと時間配分
抽象型とは、抽象的な問題に対し答えを出す形式のテーマになります。
例えば以下のようなテーマになります。
「世界で一番美味しい食べ物は何か?」
「幸せな人生を定義してください」
「仕事に必要な3つの能力を挙げよ」
抽象型のテーマの以下の流れで解くことができます。
- 役割分担と時間配分:0.5
- 前提条件と定義付け:1
- アイデア出し:3
- アイデアのまとめ:3
- 議論のまとめ:1
- 余白時間:1.5
流れは先ほど紹介したものと同様で、さらに時間配分も先ほどと同じもので大丈夫です。
選択型と課題解決型は少し違うので注意してください。
グループディスカッションの選択型テーマの流れと時間配分
選択型とは2つ以上の選択肢が与えられて、その中から1つだけを選択する形式のテーマになります。
例えば以下のようなテーマになります。
「虎と戦うなら日本刀と鉄砲のどちらを選ぶか」
「新婚旅行先としてふさわしいのは、北海道と沖縄のどちらか」
「自分の子供に勧めるならば「医師」と「youtuber」と「プロ野球選手」のいずれを目指すのを推奨すべきか」
選択型のテーマは以下の流れで解くことができます。
- 役割分担と時間配分:0.5
- 前提条件と定義付け:1
- 評価の基準の設定:3
- 選択肢の比較検討:3
- 議論のまとめ:1
- 余白時間:1.5
選択型は時間配分は違いませんが、解答までの流れえが異なります。
選択型は複数の選択肢から1つを選ぶ必要があるため、まず「選択肢をどのように選ぶのか」を決める評価の基準を設定をします。
その後に評価基準に則って、選択肢の比較検討を行います。 比較検討ではメリットデメリットを出し合い、結論を出すのか一般的です。
グループディスカッションの課題解決型テーマの流れと時間配分
課題解決型とは、何からしらの課題を与えられ、その課題を解決できる施策が求められる形式のテーマになります。
課題解決型は以下のようなテーマになります。
「コンビニの売り上げを1.5倍上げる施策を考えろ」
「交通事故を減らすにはどうすれば良いか」
「TOEICのスコアを上げるにはどうすれば良いか」
課題解決型のテーマは以下の流れで解くことが出来ます。
- 役割分担と時間配分:0.5
- 前提条件と定義付け:1
- 課題のボトルネック(原因)の特定:2
- 施策のアイデア出し:3
- 施策の決定:0.5
- 議論のまとめ:0.5
- 余白時間:1
課題解決型は原因究明→施策思案の順番で解くことが多いです。その時に重要なのが、挙げていった原因の根本的な部分は何なのかを明らかにすることです。
珍しいケースで課題に原因がないパターンがあります。
例えば以下の様なテーマです。
「あなたがインターンで就活イベントに300人集客するのであれば、何をしますか?」
このような現時点で課題がないテーマの場合はゴール設定を行いましょう。
ゴール:コストを掛けないこと、質の良い人材を集客する
ゴール設定を行ったら、ゴールに一番適切な手段を考えましょう。
オンライングループディスカッションの場合の時間配分方法は?
オンライングループディスカッションと対面でのグループディスカッションで時間配分に関する違いはありません。
対面と同様の時間配分で挑みましょう。
時間配分のコツは?
実際に時間配分をする際のコツは以下の3点です。
・バッファー(予備時間)を用意しておく
・時間配分を決めることに時間を使い過ぎない
・時間配分はズレることを想定しておく
詳しく1つずつ解説していきます。
バッファー(予備時間)を用意しておく
時間配分を行う際は、必ずバッファーを用意してください。
グループディスカッションは基本的に時間が押してしまうことが多いです。
時間が押した際でもバッファーを用意しておくことで、問題なく結論まで導くことができます。
なので必ずバッファーは用意しておきましょう。
時間を決めることに時間は使わない
30分以内のグループディスカッション場合、時間配分を決める時間は30秒-1分以内には必ず抑えましょう。
本来の仕事の進め方の場合、プロジェクトを細分化し、タスクごとの所要時間を予測し、スケジュール管理を行う必要があります。
30分のグループディスカッションでは上記の流れを取ると、時間配分だけで多くの時間を消費してしまい、一番重要なテーマに対する答えを考える時間が無くなります。
そのため、30分以内のグループディスカッションの時間配分はあくまで目安と捉え、30秒程度で実施しましょう。
時間配分はズレることを想定しておく
グループディスカッションで最初に決めた時間配分通りで議論できるかのアンケートを実施した結果、55%の学生はあまり出来ていない、もしくは出来ていないと回答しました。
この結果からも分かる通り、グループディスカッションでは基本的には時間配分通りに進みません。
そのため時間が足りない場合と余った場合の対策をそれぞれ用意しておく必要があります。
時間が足りない際の対処方法
時間が足りない際は以下の2点を実施しましょう。
1.時間配分をやり直し、重要な要点に時間を割く
2.半強制的に切り上げ次の議論に移る
まずは時間配分の仕切り直しを提案し、重要な要点に出来るだけ時間を割く必要があります。
仕切り直しの提案をすることで、議論を仕切り直せます。
またチームメンバーに時間が押していることを共有ができるため、メンバーが時間を意識するようになり議論のスピードが上昇します。
上記を実施しても時間内にアウトプットが出せなさそうな場合は、現在の議論の内容をまとめて結論付け、半強制的に次の議論に移りましょう。
基本的にメンバーの同意を得るのは時間がかかるため、時間がない場合は自分一人で結論づけ、次の議論に移りましょう。
時間が余った時の対処方法
時間が余った場合は以下の2点を実施しましょう。
1.結論の見直し
2.議論の整理
3.採点官の質問を想定
1つ目は結論の見直しです。
自分達が議論して出した結論が本当に適切で良いアウトプットかどうかの確認を実施します。
基本的には以下の項目を確認してください。
・議論の流れに論理的だったか
・出している施策はMECEかどうか
・結論をあえて否定的に考えた際に、懸念点はないか
2つ目は議論の整理です。
自分たちがどのような流れで結論を出したのか、結論の根拠は何かを整理し、発表がしやすくなるように議論を整理しましょう。
3つ目は採点官はルールにもよりますが、発表時間があり、採点官が質問をしてくるグループディスカッションの場合は、
質問される項目を予測し、想定質問に対する返答を用意しておきましょう。
予め懸念点を質問された際も返答を用意しておくことで、焦ることもなく落ちついて返答することができます。
時間に間に合わなかったらどうなるの?
グループディスカッションで時間内に結論が出せなかった場合は必ず減点されます。
納期内にアウトプットを出すことは社会に出ると必ず求められます。グループディスカッションでも同様で、必ず時間内に結論を出して発表できるようにしましょう。
優先順位は議論の質よりも結論を出せているかの方が高いため、
間に合わなさそうな時は一定質を落としたとしても結論を出すようにしましょう。
具体的にどの程度の減点がされるのかですが、入社難易度が高い企業だと一発不合格のこともありますが、
基本的には一定程度減点される程度です。とはいえ油断せずに開始した時からスピードを意識して取り組むようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回はグループディスカッションの時間配分に関して紹介しました。
グループディスカッションは短い時間で結論を出さなければなりません。その際に時間配分を適切に行っておくと時間に間に合いやすくなります。
ぜひ今回の記事を参考にしてください。