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[アビームコンサルティング]映画館の利用者数を増加させるための施策を検討せよ。

3人の人が上の部分を確認しながら会話している画像です。

目次

就活生山田さん画像

就活生・山田さん
消費財メーカーを目指す大学3年生。グループディスカッション(GD)はあまり得意でなく、早期選考、インターン選考で大苦戦。プロ講師のもとで特訓中!

 

デアイバさん画像

就活プロ講師・デアイバさん
DEiBA Company 学生マーケティング部所属。
就活対策セミナーでグループディスカッション(GD)を教えるプロ講師。累計8万人が参加したGDイベント「デアイバ」の運営も担当する。

映画館の利用者数を増加させるための施策を検討せよという問題を解いていきます。

 

山田さんの解き方

 

1. 前提条件決定

まず、この問題における前提条件を設定する。
・誰の目線で考えるか: 大手映画館を運営する企業。
・映画館の立地: 都市部や郊外に位置する映画館を想定。特に大都市圏。商業施設の知覚や中にあるものをイメージする。
・ゴール:利用者数増加による収益増

2. 現状分析

利用者数を上げるには:席の稼働率を上げる、映画館の選択率を上げることが必要である。

 

また、3C分析を利用して映画館の現状を分析する。

①Customer(顧客)

・ターゲットの顧客層を考える

(A)若年層、学生や若い社会人:低価格でエンタメを求める。SNSでの情報シェアが盛ん。ストリーミングサービスなどを使いこなし、自宅での映画資料を好む傾向が高い。学生は時間の融通が利きやすい。

(B)中高年層、家族連れやシニア層:映画館での体験に価値を見出すことが多い。シニアも時間の融通が利きやすい。

(C)コアな映画ファン:特別な上映イベントやグッズ、賞を取ったニッチな映画に対する興味が大きい。

 

②Competitor(競合)

・ストリーミングサービス:

【強み】低価格で、自宅で映画を視聴できる。時間や場所に縛られず、映画館に行く手間が省ける。豊富なラインナップのほか、独占コンテンツがある。

【弱み】映画館のような大画面での体験や、臨場感のある視覚、音響体験が欠けている。

 

③Company(自社)

【映画館の強み】

・IMAXや4DXなど迫力のあるかつ没入感の味わえる体験が可能

・最新映画を上映することができる。

・集団で何かを観賞するため、他のエンタメよりもソーシャルな側面が強い

・街中や商業施設の中にあることが多く、他の用事やエンタメと組み合わせやすい

 

【弱み】

・映画館の上映時間や日程、上映映画の数は固定的で、顧客が都合や好みに合わせて映画を見ることが難しい。

・チケット料金が高く、特に若年層や家族連れにとって負担が大きい。

・席によって体験の質が違う

 

3C分析の結果、一強の競合であるストリーミングサービスに対抗するためには、①価格面へのアプローチと②映画館ならではの強みを伸ばすアプローチが特に効果的だと仮定し、施策を立案する。

3. 施策立案

①価格面からのアプローチ
・時間に融通の利く大学生/シニアへの日中/深夜割引の充実:映画館で見たいけれど高くてこれない層へのアプローチとする。
・席による価格傾斜の設定:端や前のほうの席は価格設定を極端に安くし、不公平感をなくすとともに、この席でもこの値段ならいいか、という座席の稼働率を挙げる。
・ストリーミングサービスとの協業:ストリーミングサービスの年間契約者に対し、3割引きの割引を実施したり、フード無料を実施することで、顧客流出が止まらないストリーミングサービスとの共存共栄を図る。

②映画館ならではのアプローチ
・フードやドリンクの充実:質をあげる。商業施設や近隣のレストランなどと協業し、映画館でのより幅広いメニュー提供をはじめる。
・IMAX等わかりづらい体験の良し悪しを比較できるようにして、また映画館で観たいと思わせる。

4. 結論

都市部の映画館の利用者数を増加させるためには、席の稼働率の向上と、映画館選択率の向上が必要である。

 

ターゲット層や席ごとに適切な価格設定を行ったり、競合との割引パッケージなどを提案することで、稼働率を上げられる。

 

また、映画館ならではの体験価値(IMAXなど)のアピールを強化するとともに、周囲の飲食店のメニューを映画館でも提供し、フードやドリンクの質を上げることも顧客の体験価値の向上を図り、映画の選択率を上げることが必要である。

 

 

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プロ講師の解説

1. 前提確認

良く考えられていると思います。ただ、今回は映画館の立地条件を少し幅広く置きすぎたため、少し考えるのが大変だったかと思います。商業施設に入っている大手映画館、場所は都市部、などに設定をしておけるとよかったかもしれません。

2.現状分析

丁寧に分析ができています。例えば、ある程度立地を絞っていれば、駅から近くてアクセスが良い。気軽に見れる、なども強みとして挙げられていたかと思います。また、室内であるため天候に左右されないなどの強みも抑えておきましょう。雨の日は何かしらのキャンペーンを実施する、などの案が出ていたかもしれません。

3.施策立案・検討

良く検討できています。ボトルネックの特定ができていたのが功を奏していました。ただ、ターゲット層のセグメントを切ったにもかかわらず、大学生とシニア層だけへのアプローチしか考えられていなかったのは少し残念でした。中年層の社会人や若手社会人はどうしたら映画を見に行くのか?など、もう少し掘り下げられるとベストだったでしょう。案外そこがボリューム層のような気がしているので。また、利用者数の増加という点ではグループ割なども案としては良かったかと思います。

【総評】

デアイバさん画像今回は課題解決型のお題でした。かなり自由度が高いので、前提条件のある程度までの設定や、はやめの段階でのボトルネック特定が肝になります。また、考えることが多くて大変だとは思いますが、顧客を年齢層で分けて分析した場合、特定の送をボトルネックと置かなかった場合はそれぞれに対して策を考えておけると網羅性が高まるでしょう。

 

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監修者
代表取締役志村の写真
志村 友樹

DEiBA Company代表取締役

早稲田大学文化構想学部卒業。新卒で大手損害保険会社に入社。創業社長の清水との出会いをきっかけに、2016年にDEiBA Companyに入社。2024年4月より創業社長の清水の後任として、代表取締役に就任。

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